はじめに:子育てと「運転の楽しさ」を両立したいあなたへ
「運転の楽しさを諦めたくない。でも、家族も乗せるし、チャイルドシートも必要……」
この記事を読んでいるあなたは、そんな板挟みの状況にあるのではないでしょうか?
軽自動車のスポーツモデルの多くは「2シーター(2人乗り)」であり、子育て中のファミリーカーとしては論外です。しかし、数少ない例外として、「4人乗り」でありながら「MT(マニュアルトランスミッション)設定」を持つ、趣味と実用を両立できる奇跡のようなモデルが存在します。
それが、スズキ アルトワークスと、ホンダ N-ONE RSです。
僕は2車種で迷いに迷った結果、実際にアルトワークス(HA36S)を2児の父として運用し、その実用性を証明しています。
アルトワークスの実体験レビューはこちら
【子育てx軽スポーツカー】アルトワークスは2児の親にも使える?実体験レビュー
(当記事の「実用性の根拠」として、ぜひ合わせてお読みください。)
かしわBLOG 【子育て×軽スポーツカー】アルトワークスは2児の親にも使える?実体験レビュー – かしわBLOG 子育て中はやっぱりスライドドアの大きな車だよな・・・ そんな車、運転していてもつまらない・・・ でも。やっぱり走りの楽しさは捨てたくない! そんな思いから、僕が選…
今回は、アルトワークスを検討する方が最も悩むであろう「N-ONE RS」との間で、「子育ての実用性」と「走りの楽しさ」の2軸でガチ比較を行います。
基本スペック比較:共通点と決定的な違い

まずは、両車の「4人乗れてMTが選べるターボ車」という共通項以外にある、決定的な違いを整理します。
| 項目 | スズキ アルトワークス (HA36S) | ホンダ N-ONE RS (JG3/JG4) |
| ボディ形状 | 軽ホットハッチ(全高低め) | 軽ハイトワゴン(全高高め) |
| 駆動方式 | FF / 4WD | FFのみ |
| 車体重量 (MT) | 約670~740kg | 約840~880kg |
| トランスミッション | 5MT / 5AGS | 6MT / CVT |
| 価格帯 | 生産終了 / 中古車相場 | 200万円~(新車) |
| 運転席 | レカロシート標準装備 | 専用シート |
最も重要な違いは、ボディ形状と車体重量です。
- アルトワークス: 軽量で全高が低く、よりダイレクトな操作感。純粋なスポーツ走行に重きを置いた設計。安全装備は、ほとんど付いておらず、ストイックさが伺える。(僕はここに惹かれました。)
- N-ONE RS: 高めの全高と重めの車体を持つハイトワゴン。日常の利便性を確保しつつ、スポーティな味付けを施した設計。安全装備や快適装備が多く、乗っていてとても楽に運転ができる。特に良かったのが、MTにも関わらずACC(アダプティブクルーズコントロール)がついていること。なんとアクセル・クラッチから足を話して走行が可能です。(この機能は正直羨ましい・・・)
実用性ガチ比較 (子育て編):勝敗を分ける「空間」

子育てカーとして見た場合、両車の勝敗は「空間の余裕」で決まります。
チャイルドシートと乗せ降ろしのしやすさ
| 評価軸 | アルトワークス | N-ONE RS | 評価 |
| 室内高 | 標準的。大人が乗り込むと頭上に余裕は少ない。 | 非常に高い。 | N-ONE RSの勝利。 |
| 乗せ降ろし | 4ドアだが、全高が低いため、かがむ動作が必要。 | 4ドア+高い全高で、立ったままに近い姿勢で作業できる。 | N-ONE RSの勝利。 |
【結論】乗せ降ろし・室内空間はN-ONE RSの圧勝
N-ONE RSは、ホンダ独自のセンタータンクレイアウトにより、後部座席の足元空間が広く、室内高も高いため、小さな子供の世話やチャイルドシートへの乗せ降ろしにおいて、軽自動車離れした快適性があります。
アルトワークスは物理的に「乗せられる」ことは実証済みですが、N-ONE RSのような「楽に世話ができる」レベルには達しません。
アルトワークスでのチャイルドシートの運用や、狭い中での工夫については、
【実体験レビュー記事】 で詳細に解説しています。
荷室・積載性の比較
| 評価軸 | アルトワークス | N-ONE RS | 評価 |
| 通常時 (4人乗車) | 奥行きが非常に狭い。スーパーの買い物カゴ1つ分乗らない。 | 標準的。アルトワークスより余裕がある。 | N-ONE RSの勝利。 |
| 後部座席アレンジ | 後席を倒してフラットにできるが、大きな段差がある。分割可倒式ではないため、前起こし、全倒し必須。 | ダイブダウン機構。後席を床下に格納でき、完全にフラットな広大な空間を作れる上に分割可倒式。 | N-ONE RSの勝利。 |
【結論】積載性はN-ONE RSの圧勝
ベビーカーや大きな買い物、キャンプ道具などを積む頻度が高い場合、N-ONE RSの「ダイブダウン機構」が圧倒的に便利です。アルトワークスの2列目は、分割可倒式になっておらず、全部倒すか全部起こすしかできません。日常の買い物程度なら助手席やチャイルドシートの横に置くという運用上の工夫が必須となります。
走りの楽しさ比較 (趣味編):趣味性を追及するのは?

次に、親御さん自身の趣味の満足度を左右する「走りの楽しさ」を比較します。
運転のダイレクト感とハンドリング
| 評価軸 | アルトワークス | N-ONE RS | 評価 |
| 車体重量 | 軽い (約700kg) | 重い (約850kg) | アルトワークスの勝利。 |
| 重心 | 低い。路面に吸い付くような感覚。 | 高い。コーナーで多少ロール(傾き)を感じやすい。 | アルトワークスの勝利。 |
| シート | レカロシート標準装備 | 専用シート | アルトワークスの勝利。 |
【結論】純粋な「走り」の楽しさはアルトワークスに軍配
アルトワークスは、レカロシートのホールド感、低い重心、軽量ボディが相まって、まるでゴーカートのようなクイックでダイレクトな操作感を提供します。日常の通勤路でも、その軽快さだけで楽しめます。
N-ONE RSも非常にスポーティなチューニングがされていますが、物理的な全高と重さからくる「軽ハイトワゴン感」を完全に消し去ることは難しく、アルトワークスの持つ純粋なスポーツカーの楽しさには一歩及びません。軽ハイトワゴン感の解消には、車高調などの導入が必要となりますね。
(ラーマン山田さんもVideo Optionの撮影で、SPOON製のN-ONE RSのドライブで横転しかけていました。)
MTフィーリングとトランスミッション
| 評価軸 | アルトワークス | N-ONE RS | 評価 |
| ミッション | 5速MT | 6速MT | N-ONE RSの勝利。 |
| フィーリング | スコスコと小気味よい操作感。 | カチッとした操作感で、より洗練されている。 | 好みが分かれる。 |
N-ONE RSのMTは、実用車ベースとしては異例の6速MTを採用しており、高速道路での巡航時や、ワインディングでのギア選択の楽しさで優位に立ちます。アルトワークスは5速までしかなく、5速で60km/h以上出すと、回転数が高く、乗っていて快適とは言えないかもしれません。
(ちなみに僕のアルトワークスは、5速ファイナルのギアをショップで交換してもらい、ギア比を落とすことによって高速巡航時の回転数を落とす工夫をしています。)
(参考:SWK製セミワイドギア)←こちらを組み込んでいます。
結論:あなたに最適な「楽しさ×実用性」のベストカーは?
両車を比較し、あなたの家族構成とライフスタイルに照らし合わせて、最終的な選択肢を見極めましょう。
| ライフスタイル | 推奨モデル | 理由 |
| 実用性重視 | ホンダ N-ONE RS | 室内空間・積載性・乗せ降ろし、すべてにおいてストレスが少ない。家族の理解も得やすい「MT付きの軽」の最適解。 |
| 趣味性重視 | スズキ アルトワークス | 最高の走りの楽しさと引き換えに、実用面で工夫(割り切り)が必要。真の車好きパパ/ママへのご褒美。 |
アルトワークスを選ぶ「覚悟」と「詳細」を知りたい方へ
アルトワークスは、子育て実用性で「60点」、走りの楽しさで「95点」。この60点をどうやってカバーし、趣味と実用を両立しているのかを、ぜひ【アルトワークスの実体験レビュー記事】でご確認ください。
「軽スポーツカーでの子育てを諦めるな」という熱いメッセージが詰まっています。
あなたのカーライフに求められる点数がどちらに傾いているかで、選ぶべき車は変わります。
僕は走りを重視したかったのでアルトワークスを選びました。
ですが正直N-ONE RSを選んでいても、楽しめていたのかなとは思います。
やはり後発のRSの完成度は相当高く感じました。
この比較が、あなたの人生を豊かにする一台を見つける助けになれば幸いです。
またいつか、2シーターの車も比較したいですね!
それではまた次の記事でお会いしましょう!


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