「シエンタからノア・ヴォクシーに乗り換えたら、維持費はどれくらい上がるんだろう」
子どもが大きくなってきて、そろそろ広い車がほしい。でも家計は無限じゃない。僕自身、シエンタに9年・12万km乗ったあと、この計算をさんざんやりました。
結論から書きます。シエンタとノア・ヴォクシーの維持費の差は、思っているより小さいです。ただし条件が一つあって、そこを外すと年11万円の差がつきます。
結論:ハイブリッド同士なら差は月4,000円。跳ね上がるのはガソリン車だけ
| 車種・パワートレイン | 年間維持費 | 実燃費の目安 |
|---|---|---|
| シエンタ ハイブリッド | 約18万円 | 23km/L |
| シエンタ ガソリン | 約21万円 | 17km/L |
| ノア・ヴォクシー ハイブリッド | 約23万円 | 16.5km/L |
| ノア・ヴォクシー ガソリン | 約29万円 | 11km/L |
シエンタのハイブリッドとノア・ヴォクシーのハイブリッドで、差は年5万円。月にすると約4,000円です。車格がひとクラス上がって、3列目に大人が座れるようになって、月4,000円。想像していたより小さいのではないでしょうか。
一方で、ノア・ヴォクシーのガソリン車を選ぶと年29万円。シエンタのハイブリッドとの差は年11万円に開きます。つまり維持費が本当に重くなるのは「車を大きくしたとき」ではなく、「大きい車でガソリンを選んだとき」です。
かしわ餅乃助ちなみにノアとヴォクシーは中身が同じ車なので、維持費に差はありません。違うのは顔つきと内装の雰囲気だけです。
この記事の数字の出どころ(前提の開示)
維持費の記事はいくらでも都合よく作れてしまうので、前提を先に全部書いておきます。
- 年間走行距離は1万km(一般的な家庭の目安)
- ガソリンはレギュラー170円/L(2026年8月の全国平均)
- 任意保険は条件で大きく変わるため、表からは除外して後述
- 車検・重量税・自賠責は2年ぶんを2で割って年額に換算
- 駐車場代・高速代・ローンは含まない
- ノア・ヴォクシーは僕の所有車ではないため試算。ただし僕がシエンタで9年・12万km払い続けた実額を物差しに校正しています
最後の一行がこの記事の肝です。試算だけの記事は世の中にたくさんありますが、実際に払い続けた金額を知っている人間が作った試算かどうかで、数字の当たり方はかなり変わります。


内訳①自動車税:シエンタが年5,500円安い
自動車税は排気量で決まります。シエンタは1.5L、ノア・ヴォクシーはガソリンが2.0L、ハイブリッドが1.8Lです。
| シエンタ(1.5L) | 30,500円 |
| ノア・ヴォクシー ハイブリッド(1.8L) | 36,000円 |
| ノア・ヴォクシー ガソリン(2.0L) | 36,000円 |
注意したいのは、ハイブリッドでも自動車税は安くならないことです。1.8Lは「1.5L超2.0L以下」の区分に入るので、ガソリンの2.0Lとまったく同額の36,000円。エコカーだから税金が優遇されるはず、と思っていると見積書で驚きます。
自動車税を毎年安くしたいなら、排気量で1.5L以下に収まるシエンタを選ぶしかありません。差は年5,500円、10年で5.5万円です。
自動車税を翌年度に軽減するグリーン化特例は、現在は電気自動車やプラグインハイブリッドなどが対象で、ガソリンのハイブリッド車は対象外です。ノア・ヴォクシーのハイブリッドもここには入りません。
一方、購入時の環境性能割や車検時の重量税にはエコカー減税が効くことがあります。制度は年度で変わるので、必ず販売店の見積書で確認してください。
内訳②車検関連:ノア・ヴォクシーが年1万円ほど重い
ここは車両重量で差がつきます。シエンタは車両重量1.5t以下、ノア・ヴォクシーは1.5t超。重量税の区分がひとつ違います。
| 項目 | シエンタ | ノア・ヴォクシー |
|---|---|---|
| 重量税(年割) | 約12,300円 | 約16,400円 |
| 自賠責(年割) | 約8,800円 | 約8,800円 |
| 点検・整備(年割) | 約24,000円 | 約30,000円 |
| 合計 | 約45,000円 | 約55,000円 |
点検・整備の差は、単純に部品が大きく高くなるぶんです。ブレーキパッドもバッテリーも、車体が大きくなれば値段が上がります。
内訳③燃料代:ここで一番差がつく
年1万km・レギュラー170円/Lで計算すると、こうなります。
| 車種 | 実燃費 | 年間燃料代 |
|---|---|---|
| シエンタ ハイブリッド | 23km/L | 約74,000円 |
| シエンタ ガソリン | 17km/L | 約100,000円 |
| ノア・ヴォクシー ハイブリッド | 16.5km/L | 約103,000円 |
| ノア・ヴォクシー ガソリン | 11km/L | 約155,000円 |
最安と最高で年8万円の差。維持費の差のほとんどは、ここで生まれています。税金や車検の差は数千円から1万円ですが、燃料代だけは桁が違う。
そして面白いのが、ノア・ヴォクシーのほうがハイブリッドの効果が大きいことです。シエンタはガソリンとハイブリッドで年2.6万円の差ですが、ノア・ヴォクシーは年5.2万円。車が重いほど、モーターに助けてもらえる幅が大きくなるからです。
実燃費はカタログの何割か(9年・12万kmの実測から)
上の表で使った実燃費は、カタログ値ではありません。ここが試算記事でいちばん嘘が混ざりやすいところなので、僕の実測を物差しとして開示します。
僕が9年乗った170系シエンタはガソリンのGグレードで、カタログ燃費は20.6km/L。実際に12万km走って出ていたのは13〜15km/Lでした。つまりカタログのおよそ7割です。
もう一台、いま乗っている20系アルファードはカタログ11km/L台に対して実測7〜8km/L。これも7割前後で一致します。



子どもの送り迎えとチャイルドシート、荷物満載。エアコンは夏も冬も入れっぱなし。この使い方だと、だいたいカタログの7割に落ち着きます。
この「7割ルール」を当てはめて、ユーザーの給油データとも突き合わせた数字が上の表です。ハイブリッドは街乗りが得意なので7〜8割、ガソリンの大きい車は6.5〜7割に落ちる、という補正をかけています。
車両本体価格を足すと、答えがひっくり返る
ここまで読むと「じゃあハイブリッド一択だ」と思いますよね。僕もそう書きたい。でも、それだと不誠実になります。
ハイブリッドは買うときが高いからです。同じグレードで比べたときの価格差は、シエンタで約27万円、ノア・ヴォクシーで約33万円。この差を燃料代の節約で取り返すのに何年かかるかを計算すると、こうなります。
| 年1万km | 年1.3万km | |
|---|---|---|
| シエンタ | 約10年 | 約8年 |
| ノア・ヴォクシー | 約6年 | 約5年 |
シエンタで年1万kmしか走らないなら、ハイブリッドの元が取れるのは10年後。多くの家庭はその前に乗り換えます。この場合はガソリンのほうが安く済むのが正解です。
逆にノア・ヴォクシーなら6年で回収できます。燃費差が大きいぶん、ハイブリッドを選ぶ理由がはっきりしている。大きい車ほどハイブリッドを選ぶべき、というのがこの計算から出る答えです。
僕がハイブリッドを見送って、失敗した話
9年前、170系シエンタを買うときに僕もこの計算をしました。「10万km走れば元が取れる。でもそんなに乗らないだろう」と考えて、ガソリンのGを選びました。当時はハイブリッドを選ぶ資金の余裕もありませんでした。
結果、12万km走りました。
判断のロジックは間違っていなかったと思います。間違っていたのは、走行距離の見積もりでした。子どもが生まれると、車の使い方は買う前の想像とまるで変わります。習い事、実家、病院、キャンプ。気づけば毎週末どこかに走っている。



じゃあ、どう見積もればいいの?



子どもが小学校に上がる前なら、今の走行距離に3割足して考えてください。僕の実感では、それでちょうどいいくらいです。
維持費の差が年5万円だとわかっても、今の車がいくらで売れるかを知らないと、乗り換えの判断はできません。ここが数十万円単位で動くからです。
僕は9年・12万km走ったシエンタを9社に査定に出して、53万円で売りました。ディーラーの下取り提示額とは20万円以上の差がありました。維持費の年5万円を悩むより、こっちのほうが先に効きます。


任意保険はどれくらい違うのか
表から外した任意保険についても書いておきます。ここは年齢・等級・車両保険の有無・使用目的で金額が何倍にも変わるので、車種別の断定はできません。
相場としては年5万円〜10万円のレンジに収まる家庭が多く、シエンタとノア・ヴォクシーの車種による差は、この振れ幅に比べれば小さいです。車種を悩むより、保険会社を比べたほうが下がります。同じ条件で見積もりを取り直すだけで数万円動くことは珍しくありません。
それでもシエンタを選ぶ理由、ノア・ヴォクシーを選ぶ理由
維持費の差が月4,000円だとわかったところで、判断軸は「お金」から「使い方」に移ります。
僕は9年間、シエンタの3列目を使おうとした日が2回しかありませんでした。3列目は保険として買ったつもりでしたが、その保険料として9年ぶんの荷室を差し出していた、というのが正直な総括です。
だから僕の意見はこうです。3列目を年に数回しか使わないなら、シエンタでもノア・ヴォクシーでも、そこは決め手にならない。決め手になるのは、日常の取り回しと、2列目の広さと、荷室です。


まとめ:維持費で選ぶなら、車格よりパワートレイン
- シエンタとノア・ヴォクシーのハイブリッド同士なら、差は年5万円(月約4,000円)
- 維持費が跳ね上がるのはノア・ヴォクシーのガソリン車を選んだとき(年29万円)
- 差の大半は燃料代。税金と車検の差は合わせて年1.5万円ほど
- ハイブリッドでも自動車税は安くならない。安いのはシエンタの排気量だから
- ハイブリッドの元が取れるのはシエンタで約10年、ノア・ヴォクシーで約6年
- 子育て世帯は走行距離を多めに見積もる。今の実績+3割が目安
- シエンタとノア・ヴォクシーで、維持費はどれくらい違いますか?
- ハイブリッド同士なら年約5万円、月約4,000円の差です(年1万km走行・任意保険を除く)。シエンタのハイブリッドが約18万円、ノア・ヴォクシーのハイブリッドが約23万円になります。
- ノアとヴォクシーで維持費に差はありますか?
- ありません。ノアとヴォクシーは同じ車体・同じエンジンの兄弟車なので、税金・燃費・車検費用はすべて同じです。違うのは外装デザインと内装の仕上げです。
- ハイブリッドにすると自動車税は安くなりますか?
- 安くなりません。自動車税は排気量で決まるため、ノア・ヴォクシーのハイブリッド(1.8L)はガソリン(2.0L)と同じ36,000円です。シエンタが30,500円と安いのは、排気量が1.5L以下だからです。
- ハイブリッドとガソリン、どちらを選ぶべきですか?
- 走行距離で決まります。年1万km程度ならシエンタはガソリンでも損しませんが、ノア・ヴォクシーは約6年で元が取れるのでハイブリッドが有利です。年1.3万km以上走るなら、どちらの車種でもハイブリッドを選ぶ価値があります。
- ノア・ヴォクシーのガソリン車の実燃費はどれくらいですか?
- ユーザーの給油データでは10〜12km/L程度で、街乗り中心だと10km/Lを切ることもあります。ハイブリッドは15〜18km/Lなので、燃料代では年5万円ほどの差になります。
- 維持費には何が含まれていますか?
- 自動車税、重量税、自賠責、点検・整備費、燃料代、タイヤなどの消耗品です。任意保険は条件で変わりすぎるため別枠にし、駐車場代・高速代・ローンは含めていません。
一括査定は電話がたくさんかかってくるのが不安、という声をよく聞きます。実際、僕も最初はそれが嫌でした。
その点、ストリマは電話がかかってきません。これは本当です。ただし正直に書くと、僕が使ったときに実際に査定してくれた業者は1社だけで、提示額は40万円でした。相場から外れた額ではないものの、1社だけでは相場の当たりはつけられない、というのが9社に出してみた僕の結論です。まず一歩目としてはいちばん心理的なハードルが低い方法です。
維持費は毎年じわじわ効いてきます。でも乗り換えの損得を一番大きく動かすのは、実は今乗っている車の売り方です。年5万円の差を9年積んでも45万円。僕がディーラー下取りと一括査定で得た差額は、たった1回で20万円以上でした。
数字を出して比べてみると、迷いは意外とあっさり片付きます。









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